東芝やソニーで話題になった「減損損失」とは何か?東芝は債務超過で2部に転落する見通し

東芝が原発事業の減損損失7125億円を計上し、債務超過の見通し

東芝が2016年12月期で原発事業の減損損失7125億円計上し、最終損益は△4999億円の見通しです。

最終損益が△4999億円になったことで、今期末の株主資本は1500億円のマイナス(債務超過)になる見通しです。

先日まで東芝は2017年3月期での債務超過を回避するべく、様々な資産を売却し資金を捻出していました。
特に東芝の稼ぎ柱と言われる、記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却で、債務超過を回避できると思われていましたが、半導体事業の入札を方向となり、現状では2017年3月期では債務超過は避けられず、2部に転落する可能性が高くなりました。

実は、ソニーも(東芝ほどではありませんが)多額の減損損失を計上することになりました。
1989年にソニーが買収した、コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメント社の営業権(のれん)が映画のDVDやブルーレイディスクの市場縮小が加速したことから減損することになりました。

今回の東芝やソニーのニュースで初めて減損損失を聞いた方もいると思います。
そこでちょっとだけ、(自分なりに)減損損失を噛み砕いて説明してみたいと思います。

大手企業を一瞬にして赤字に変えた、減損損失とは何か?

企業がなぜ固定資産に投資をするかというと、投資先の事業から得られる収益が投資額を上回ると期待しているからです。
ですがその事業の収益というのはあくまで予想であって絶対ではありません。

投資を行った後に、世界的な不況になってしまうかもしれませんし、あるいは事業が計画通りに進まないかもしれません。
つまり、投資した事業(固定資産)の価値が下がることがあります。

この固定資産の収益性の低下により、事業の収益が投資額を下回ったと見込まれる状態のことを減損と言います。
そしてこの減損になった時には、回収可能価額(事業の値段)の低下した分を固定資産に反映させる必要があり、この一連の流れが減損処理です。

この減損処理、いくつかのテストを行った上で、最終的に減損の必要があると判断された時に行われます。

  1. 減損の兆候を判定
  2. 減損損失を認識
    見積もりした(割引前)将来キャッシュフローが固定資産の帳簿価額を下回った場合
  3. 減損損失を特別損失に計上
    固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減額分を減損損失として特別損失に計上する。回収可能価額は、正味売却価額(固定資産を売却した時の回収額)と使用価値(継続使用による回収額)のいずれか高い方

東芝は原発事業の減損損失7125億円を計上予定です。
なぜ減損だけで東芝のような大企業が一瞬にして赤字になり、債務超過までに陥ったのか、不思議に思っている方も多いと思います。

そこで、(架空の企業)原発事業を持つ西芝株式会社を例に、減損損失を計算してみたいと思います。

◯芝の原発を例に減損を説明

減損を計算する上での仮定

  • 今回の会社は、大手電機メーカーの西芝株式会社で原発や白物家電などコングロマリット
  • 投資した固定資産は原発事業(帳簿価額:1000億円)
  • 投資後、世界的に脱原発の流れになり原発事業の収益性が大きく低下し、残存する5年間は各年120億円のキャッシュフローが見込まれる。減損の兆候はありと判断
  • 原発事業は海外の企業が買収を打診し、正味売却価額は650億円
  • 割引率は5%

仮定に基づいて、減損損失を計算

減損の兆候があると判断されているので、まず最初に原発事業から生み出される(割引前)キャッシュフローを計算します。
5年間の各年120億円のキャッシュフローが見込まれているので、原発事業の(割引前)キャッシュフローは600億円(120億円×5年間)と見積もることが可能です。

そして、この(割引前)キャッシュフロー600億円と原発事業の帳簿価額1000億円を比較すると、回収額が投資額を下回っているので減損を認識します。

減損損失を計算する上で必要な回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方です。
海外の企業から買収の打診があり正味売却価額は650億円、使用価値は割引後のキャッシュフローなので下記のように計算することが出来ます。

【使用価値の計算】
(120/(1+0.05)) + (120/(1+0.05)^2) + (120/(1+0.05)^3) + (120/(1+0.05)^4) + (120/(1+0.05)^5)=519.5372億円

正味売却価額が650億円、使用価値は519億円なので、高い正味売却価額を回収可能価額とします。

最後に、帳簿価額1000億円を正味売却価額650億円に反映し、その差額分である350億円(1000億-650億)が横芝株式会社の原発事業の減損損失と計算することが出来ます。

減損損失は悪いことだけでなく、良い面もある

東芝は、今回の減損損失計上により、債務超過の見通しとなり2部転落する可能性が出てきました。

今回の債務超過は原発事業の減損を行なったことが主な理由ですが、減損全てが悪いことばかりではなく、(見方を変えてみれば)将来へのリスクが減ったという面で良い部分もあります。

どいうことかというと、今回多額の減損損失を計上することで、将来への減損リスクを減らすことが出来たと言えます。
今回の例に出した西芝株式会社なら、元々の原発事業の帳簿価額は1000億円があり、減損によって帳簿価額が650億円まで減額されました。

もし今回減損をしていなかったとしたら将来減損リスクは最大で1000億円あったのに対して、今回減損を行なったことで将来の減損リスクは最大でも650億円に抑えることが出来ます。

最悪、全額を減損することだってあり得るわけですから、減損損失として1000億円か650億円か、どちらの方が会社にとってダメージが少ないかというと、後者です。

(おそらく)東芝は存続し続けると思うので、今回の減損によって不安が一つ減ったとも言えます。

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      2019/10/05

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