丸紅が減損など1200億円損失-純利益650億円の決算予想
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丸紅が減損など1200億円損失により純利益650億円の予想
総合商社の丸紅が一昨日、2016年3月期の決算予想を発表しました。
丸紅のIR資料によると、2016年3月期は金属・エネルギー事業の減損損失(▲1,200億円)計上により、当期純利益が当初の予想よりも64.8%減の650億円と修正しました。
1,200億円損失の内訳は下記の通りです。
資源・非資源 | 合計 | ▲1,200億円 |
---|---|---|
資源 | チリ銅事業における減損損失 | ▲350億円 |
豪州鉄鉱石事業における減損損失 | ▲200億円 | |
その他 | ▲200億円 | |
資源合計 | ▲750億円 | |
非資源 | 海外プラント案件における損失引当等 | ▲200億円 |
その他 | ▲250億円 | |
非資源合計 | ▲450億円 |
中でも資源事業における減損が大きく影響しています。
チリの銅をはじめ、豪州の鉄鉱石など、丸紅に先立って赤字決算予想を発表した、三菱商事、三井物産ともに左記の事業における減損損失を計上しています。
総合商社のIFRS(国際財務報告基準)や減損損失、三菱商事・三井物産の赤字決算について下記で整理をしています。
中国や新興国の経済悪化による資源需要の大幅な減少、及び開発計画の遅れや開発コストの高騰などにより、三菱商事は▲4,500億円、三井物産は▲2,600億円の減損損失により赤字を予想しています。
3社の主な減損損失の主因となったチリの銅、豪州の鉄鉱石については、各社買収時期こそ違いはあれ、マーケット価格が下落しているわけですから減損という方向になります。
その点でまだ2016年3月期の決算予想を発表していない住友商事についても3社と同じく、資源・エネルギーの減損が予想されます。
住友商事は同じ住友グループの住友金属鉱山と共同でチリのでシエラゴルダ銅鉱山に出資(住友金属鉱山31.5%、住友商事13.5%)していますが、住友金属鉱山は銅価格の下落により、2016年3月期第3四半期で▲689億円の減損損失を計上しています。
(一見する限り…)住友商事はシエラゴルダ銅鉱山の減損損失は計上していないはずです。
この他、上記3社と同じく、豪州の鉄鉱石についても保有しているようなので、住友商事も大幅な減損損失が予想されます。
なぜ総合商社は、チリの銅事業の大幅な減損損失を計上しているのか?
銅の生産量では、チリは世界最大
銅は、電線や配管、産業機械などの材料として使われ、鉄と並び、経済活動・生産活動に重要な資源の一つです。
その銅は、チリが世界最大の生産国です。
2013年のデータによると、世界の銅の生産量のうち、チリは32%(5,776千トン)を占めており、世界でもダントツの生産量です。
チリ国内においても銅生産は主要なビジネスのようです。
ここに三菱商事や三井物産、丸紅など日本企業は多く参画しています。
銅を最も多く輸入しているのが中国(37.5%)です。
中国以外だと、日本(12.9%)、アメリカ(7.8%)、韓国(7.6%)、ブラジル(6.0%)、インド(5.3%)、とチリの銅をアジアが多く輸入しています。
実は中国は世界でも有数の銅の生産国の一つですが、生産が消費に追いつかずにチリから輸入しています。
2011年から銅価格が下落傾向
下記の図は銅価格の推移です。
(出典:世界経済のネタ帳)
2004年から銅価格は急上昇し、一度リーマンショック時に下落したものの、再び上昇して2011年に最高価格になっています。
ですが2011年から下落傾向が続き、2016年は2011年と比べると47%減です。
上述の通り、世界の銅の多くを輸入しているのは中国をはじめアジアです。
銅価格はアジア経済が左右していると言っても過言ではないと思います。
4/15に中国国家当局が2016年1〜3月期のGDP成長率を発表しましたが、GDP前年同期比6.7%で、低水準にとどまっています。
リストラが進んでおり一時的に景気が落ち込む可能性もあるようです。
投資した時にはここまで銅価格が下落するとは予期していなかったはずです。
例えば、三菱商事はチリ銅事業(アングロ・アメリカン・スール)を2011年11月に5,000億円弱で買収しており、円高だったとはいえ銅価格が最も高いタイミングで買収をしていただけ減損も大きくなってしまいました。
今後も銅価格の下落が続けば、追加で減損損失を余儀なくされる総合商社もあるかもしれません。
総合商社の業績は中国経済に大きく影響を受ける
丸紅の1,200億円の損失を含め、先日赤字決算予想を発表した三菱商事・三井物産も、チリの銅事業、豪州の鉄鉱石事業で大幅な減損を余儀なくされました。
上述の通り、チリが輸出する銅を最も多く輸入しているのが中国ですが、鉄鉱石も中国が最大です。
中国は2位の日本より5倍以上の鉄鉱石を輸入しています。
銅や鉄鉱石以外も多くの資源・非資源で中国が輸入最大国となっています。
このような背景から貿易が主事業の総合商社は、今後も中国経済の影響を大きく受けていくのかなと思います。
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